〈本〉『ねこ背は治る!』
【健全な動作には、健全な精神が宿る】
予想を裏切られた
本を読むと良い意味でも悪い意味でも、予想や期待を裏切られることがある。本のタイトルから勝手に「こんな内容だろう」と想像したり、時には「こうであるはずだ」と勝手に期待値を持ち上げるからだ。この本をつかんだ理由は、今年度から二年目に入った部下の女性社員がねこ背だからだ。私の場合は、そんなことも読書の理由になる。なぜならば...
- 作者: 小池義孝,さわたりしげお
- 出版社/メーカー: 自由国民社
- 発売日: 2011/10/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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彼女に対して本ハラをしているからだ。本は読まないという彼女に、毎月一冊、強制的に本を渡しているのだ。本ハラ、ついでにタイトルから予想や期待を裏切られることについては、以下に綴っているのでご興味がある方はご参考までに。
そのようなわけで、本屋では自分が読みたい本だけではなく、彼女に渡す本も考えながらウロウロする。そう、この本はタイトルを見てねこ背の彼女にぴったりだと思ったのだ。当然、読みもせずに渡すわけにはいかないので読んでみた。すると「おぉ、これはこれは(笑)」と笑みがこぼれた。良い意味で予想を裏切られることになったのだ。
とにかく本質を繰り返している
タイトルを見ているようでしっかりと見ていなかった。副題に「知るだけで体が改善する「4つの意識」」とある。この副題にこの本の価値が凝縮されていた。読めばわかるが、ねこ背が治ることがこの本の本質ではない。意識すべき4つは、呼吸、体の重心、肩甲骨(動作の中心)、みぞおちの少し下(動作の中心)だが、これもまた本質ではない。本質はずばりこちらだ。
この本は、今まで受け身だけでは取りこぼしていた貴重で役立つ情報に、的確に意識を向けていただくためのものです。
「的確に意識を向けていただく」に傍点がされており、良く見ると副題の「知る」にも傍点がされている。知ること、そして意識すること。この本はこの二つをしつこいほど繰り返している。体の重心や中心について知ること、そしてそれを意識することを説き、ではどこに重心を置くべきなのか、中心はどこにあるのかを教えてくれる。そして、それを意識して体を動かすことで、例えばねこ背が治るのだと説明している。
知ること。そして意識すること。この本質を繰り返している点において、この本は素晴らしい一冊だと思った。そして、私はねこ背ではないが、日々の生活で動く際に体のどこを意識するべきかを知りとても勉強になった。部下の女性社員がねこ背だったおかげで、大変良い読書をすることができたわけだ。
で、ねこ背はどこへいった!?
えっ?ねこ背はどうしたら治るかって?これは大変失礼。以下が答えなので、気になる方は読んでみて欲しい。
ねこ背になる本当の原因は、正しく骨に乗れていないからです。
本書の雑感
本との出逢いは一期一会。この本もねこ背の彼女にと軽い気持ちで手にしたものだが、まさかこのような大物だったとは嬉しい誤算だった。存外に深い一冊で、まさに良い意味で予想を裏切られた本との出逢いになった。
なお、"健全な肉体には、健全な精神が宿る"という言葉に対して、"健全な動作には、健全な精神が宿る"とするべき、という指摘もしており、これもまた面白かった。よし、毎日の暮らしで、呼吸、重心、中心を意識して動作して(体を動かして)いこう。