本と酒があれば、人生何とかやっていける

読んだ本の感想や気付きを中心に、雑感をつらつらと綴っていきます

〈本〉『トランプに学ぶ 現状打破の鉄則』

橋下徹の言うことは本当に腹に落ちる】

実行あるのみ

大阪府知事大阪市長である橋下徹の有料メルマガ「橋下徹の『問題解決の授業』」を加筆・修正して書籍化したもの。

 

トランプに学ぶ 現状打破の鉄則

トランプに学ぶ 現状打破の鉄則

 

 

以前に紹介した『橋下徹の問題解決の授業 大炎上知事編』と同じ流れを組むものだ。相変わらずの橋下徹節で、"自称インテリ"を徹底的にコケにしている。

 

本書では一貫してアメリカのトランプ大統領の言動をもとにした「現状打破の鉄則」を解説している。私には無理だなと思ったが、身近でまさにトランプの言動に倣ったかのような同僚がいる。そう考えると風貌もちょっぴりトランプっぽい。 

 

現状を打破するための交渉の基本は、「脅し」「利益・譲歩」「お願い」。 

 

最初に悪役キャラを強烈に出して、その後に少し善人な様子を出すだけで相手は安心するし、それで利益を得たように感じてしまう。これを「仮想の利益」と言うそうだ。確かに同僚の彼、その言動を振り返ると頷けるものがある。私には、難しいが。

 

そもそも、格調高い就任演説をすることになんの意味があるんだよ。政治家は文学者や詩人じゃない。オバマ前大統領みたいに感動的な話をしても、実行できないんじゃ意味がない。

 

実行あるのみ。評論家はいらない。私の周りにもいる。文句ばかり言って当たり散らした挙句、具体的な解決策を示して実行しようとしない人物が。このような人が上にいると部下はとてつもなく苦労する。橋下徹が多用する"自称インテリ"を、私はよく"評論家"と表現する。もう、この""書きのような人達は反面教師にするしかない。

 

綺麗事だけでは、難題は解決できない。下品であっても、犠牲を伴ったとしても、根本的な的な問題解決に挑むのが政治なんだ。

 

美しい姿とは

政治でなくてもしかり。ビジネスマンだって同じだ。目の前に起こった課題や難題に対して、やつは馬鹿だ何だと吠えても何の解決にもならない。正論を振りかざすだけでは何にもならない。

 

橋下徹が「下品でも」「犠牲を伴っても」と表現している通り、解決に向けてある部分を譲りながらも実務を粛々とこなす姿こそが美しいのだと思う。たとえ、評論家から見て美しい姿でなくても。

 

苦渋の決断でいったん犠牲を甘受し、次の段階で、それを解決していく。このようなことを繰り返して、最終的に難題を解決する。これが現状打破の鉄則だ。理想論を語るだけでは、何ひとつ解決に向かわず、最悪な現状が維持されるだけだ。

 

本書の雑感

トランプのおっちゃん、ほんと大したもんだよ。

 

"自称インテリ"や"評論家"が唱える理想的な「美しい」かたちがいきなり実現するわけではない。まずは動かす、そしてできる限り正しいと考える方向に持っていく。これが橋下徹の考える、現状打破の鉄則。橋下徹の言うことは本当に腹に落ちる。周りの人間に比べて専門性に劣ることを自覚している身としては、これを意識して今後も取り組んでいこうと思った。

 

トップ自身が専門家と同じだけの知識を学ぶ必要はない。はっきり言って、トップにそんか時間はないよ。繰り返しになるけど、トップに求められるのは、有用な意見を言ってくれる専門家は誰なのかという「人」を選ぶ能力だ。いったん専門家を選べば、専門的な意見はその人に委ねる。これがマネジメントだ。