本と酒があれば、人生何とかやっていける

読んだ本の感想や気付きを中心に、雑感をつらつらと綴っていきます

帯状疱疹を経て、読書に対する姿勢を考え直した

 【より良い自分にしていくために本を読む】

「これでいいのか!?」という気付き

何か大きな「事」があると、それまでのリズムやペースが乱され、それとともに「はて、これで良かったのだろうか?」と考えさせられることがある。私の場合、帯状疱疹後がそうだった。帯状疱疹で苦しめられている時には、それまで毎日続けていたことができなくなり、帯状疱疹後に「それら」について考えさせられることになった。

帯状疱疹の発症については前回の投稿をご参照願いたい。

 

そのうちの一つが読書。かつては一日一冊以上、最近ではここ週三冊のペースで読み、加えて拙いながらも毎回書評を書いていた。一日一冊、週三冊と追われるように本を読んでいる自分に、はたと気付いたのだ。そして、「何のために本を読んでいるんだ?」「これって何だかおかしくないか?」「これでいいのか!?」と思うに至った。

 

「横」から再び「縦」へ

これまでは読みたい本が尽きない(これは今も変わらない)ということを言い訳にして、本を「雑に」読んでいたことに向き合わされた(そのことから目を背けてはいたものの、実は分かっていたのだ)。

 

私の読み方は本を「横」に読む。これは一般的な右開き縦書きの本の場合。気になるキーワードを拾いながら目を右から左に流していき、本のページを繰りながら、ページ全体を視野に入れながら横に本を読んでいく。普通は、縦書きの本であれば目線を上から下へと運び「縦」に読んでいくだろう。本の読み方は人それぞれである。この考えに変わりはない。しかしながら、今の自分に必要なのは横ではなく縦なんじゃないか。そう思った。本を「丁寧に」読もうと思い直したのだ。

 

なぜ横に読んでいたのか

以前は読みたいと思った本はすぐに買っていたが、今はほとんど図書館で借りている。本来は買いたいところだが、懐事情もあるのでやむを得ない(これぞと思った本は、読了後でも蔵書するために買うこともある)。本日ご紹介する本の著者である出口治明さんと少しだけ接点があり、「図書館で借りるという手段もありますよ」と当たり前のことを指摘されて、「そりゃそうだな」と一時期から図書館の利用を再開している。それ以来、図書館の借りる枠と予約の枠はほぼいっぱいだった。今は利用していないが、一時は最寄りの図書館では飽き足らず、会社近くの図書館を利用していることもあった。

 

このような有様だったので、少なくとも私の能力では、目の前に大量に積まれる本を「消化」していくには、横に読むという選択肢を取らざるを得なかったのだ。ただ、それは本来の消化ではなかった。分かっていたはずなのに、そこから目を逸らしていたのだ。

 

再読へと踏み出す

次から次へと読みたい本が出てくるのは止めようがない。しかしながら、何のために読書をしているのかを考えた時に、「一日一冊以上読んでいる人」になるためではないことに気が付いた。情けないことに、帯状疱疹でリズムとペースを崩されることでようやく、真っ正面から読書に向き合うことができたのだ。仕事にもプライベートにも活かせるような読者をしようと、本との付き合い方を考え直した。それならば、これまで読んできた本を改めて読み直す必要があるだろう。そう考えて再読へと踏み出すことになったのだ。

 

本棚の整理整頓も兼ねて

連休中は本棚の整理整頓ばかりしていた。かなり本を減らしたものの、スペースはまだまだ足りない。それだけ本が溢れている。しかしながら、思い切って手離せない本がまだまだ手元にあるのは事実。比較的ましになった本棚をもう一段、密度を濃くしていくために蔵書を再読していこうじゃないか。そう考えるに至った。言わば、一軍と二軍を分けるようなものだ(今の自分にとっての三軍は、既に連休中に手離した)。

 

同類の本を比較しながら読むのも良し

今の自分にとって役に立つか、将来の自分に必要となるか、そのいずれでもないか。現時点での判断が先々の後悔につながるかもしれないが、それならまた借りるなり買い直せばいい。今の自分の目線で本を振り分けていく作業を進めていこう。そのようにして再読に取り組んでいる。もちろん単体でも構わないのだが、同類の本を比較しながら読むとこの作業が進めやすいと思ったので、帯状疱疹後にこちらの二冊を選んで読み直してみた。もちろん、縦で。そして気になるフレーズを抜き出し、比較してみた。

 

社長は少しバカがいい。~乱世を生き抜くリーダーの鉄則

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今回の雑感

少し長くなってしまったので今回の投稿はここで締めて、この二冊を読んで得たものや一軍か二軍かの振り分けについては次の投稿に譲りたい。

 

病知らずの自分にとって大変な病だった帯状疱疹。もう二度とあの苦しみは味わいたくない。しかしながら、「何のために本を読むのか」ということに向き合わせてくれたのは不幸中の幸いだった。一日一冊、週三冊と、量を積み上げるために読書をしているんじゃあない。知識や知恵を蓄えて、それを日々の行動に落とし込んでいき、より良い自分にしていくために本を読む。もちろん楽しむだけの読書もあるだろう。しかしながら、自分にとっての本を読む大きな目的は、今日よりも一回り大きな明日を作ることだ。

 

本を読む目的を考え直し、かつ本に向き合う姿勢を軌道修正できて本当に良かった。